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彩色筆と削用筆。 [水彩]

彩色筆と削用筆の使い分けを知りたいというメールをいただきました。
彩色筆も削用筆も本来は日本画用の筆です。その使い心地の良さから水彩画家にも愛用者が増えています。

彩色筆は水含みのよい柔らかい毛でできています。
透明水彩で重ね塗りする時、コシが強い筆だと下の絵の具をこそぎ落としがちですがそういうことがありません。透明水彩の塗り用途に最適。値段は1,000円~2,000円程度。

削用筆はテン(セーブル)などコシが強い毛を中心に周囲を柔らかい毛で覆っています。
芯にコシがあるので穂先がまとまりやすく細い線も引けます。ポスターカラーなどやや粘り気がある絵の具にも適しています。
周囲は柔らかいので彩色筆同様、下の絵の具をこそぎ落とすことはなく塗り用途にも最適。まさに万能筆。わたしはこれ1本で絵を描ききることも多いです。
ぽわっとした柔らかい表現をしたいときに毛先のまとまりの良さが邪魔になることがあるのと、お値段が2,000~3,000円と高めなのが難点。

最近、大手筆メーカー名村大成堂では削用筆という名称をやめ、東紅という名前に変わったようです。雅心東紅を買いましたが気のせいか削用筆の名で売っていた頃より少し品質が低い印象を受けます。
以前は特選削用筆はなかった気がするので、従来の削用筆=特選東紅で雅心東紅は廉価版なのかもしれません。次買う時は特選東紅かホルベインの削用筆にするつもりです。
筆.jpg
削用筆(東紅)。毛先から見える茶色い毛が中心のコシが強い毛。白い毛が水含みのいい柔らかい毛です。

セーブル筆はテンの毛100%でないと名乗れませんが、彩色筆や削用筆に明確な定義はなく、名乗ったもの勝ち。製品によって品質や特性に大きな差があるので気をつけて下さい。
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のぞみ

メールで筆について質問したものです。
さっそくお返事ありがとうございました!
こんなに詳しく書いてくださって本当に本当に嬉しいです
by のぞみ (2015-06-03 15:57) 

のぞみ

明日大きな画材屋さんに買いにいくのでとても助かりました。
お値段も選ぶ目安になりました、これくらいの値段のあいだで
彩色筆と削用筆の小と中を揃えてみようと思います!

早く試してみたくてワクワクしてます。大矢先生の描く
人物と風景がとてもおしゃれで魅力的で大好きです。
これからもブログやサイトにお邪魔して色々勉強させてください。

ありがとうございました!

by のぞみ (2015-06-03 16:00) 

おーや

とりあえず削用筆中1本と幅1~2cm程度の柔らか目の平筆(広い面積を水で濡らしたり、塗るときに使います)でいいと思います。
あとはパレット代わりに日本画用の白い陶器の絵皿(100~200円)。使っていない料理用の白い小皿があればそれでもOK。
もし筆入れを買うなら筒状のものでなく、すだれ状のくるくる丸めるタイプがオススメです。
by おーや (2015-06-03 18:02) 

のぞみ

うわー!すごいです、ありがとうございます!
絵皿、明日必ず買います!

今日、メールで書いていた試しに買ったという
300円の彩色筆の中で数枚人物を描いてみましたが
水彩筆と違う柔らかさにびっくり。

最初はなんだこれはーー(°_°;)な感覚でしたが、
何とかほんわりとぼかせたのができ感動しました!
(といっても、まだまだ経験不足ですが;;)
筆の形もぐにゃぐにゃと変えられるのも面白くて
形をいかした塗りができるのだろうなとワクワクします♪

それで使ってみて難しいと感じたのが、筆から水を適量に
きって絵の具をしっかり吸わせる事、筆先を整える
という事でした。絵皿というヒントを教えてもらったので
さっそく加えて練習したいと思います。

先生のブログに削用筆一本で描いてる時もあるとおっしゃってた
のがありましたけど、先生の絵を改めて見てはすごい…と感動しきりです。

筆のサイズのアドバイス本当にありがとうございます!
写真も載せてもらっているのでとてもわかりやすいです。
色々教えていただいて、とても勉強になりました。
by のぞみ (2015-06-03 20:58) 

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